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ガイド / 規格と仕様

表面処理の見積依頼に書くべきこと: 規格、膜厚、マスキング、ラック掛け

2026年9月25日

めっき・表面処理の見積の質は、その元になる見積依頼で決まります。加工会社は見えるものに価格を付けます。規格、マスキング、寸法が処理前か処理後かを書かなければ、推測に基づいた見積が届くか、各社がそれぞれ異なる前提を置いたために比較できない見積が3件届くことになります。

このチェックリストでは、めっき・表面処理の見積を最も大きく動かす項目を、加工会社が読むおおよその順に説明します。

素材と状態

「鋼」や「アルミ」だけでなく、合金名から書いてください。4140と1018では洗浄とめっきの方法が異なります。6061と2024ではアルマイトの色が異なります。さらに次の点を加えてください。

  • 調質または熱処理の状態、熱処理済みなら硬さ。
  • 鋳物か展伸材か。鋳物は追加の洗浄が必要なことが多く、めっき後に巣が現れることがあります。
  • 再処理や補修の場合は、部品にすでに付いているスケール、めっき、塗装。

約39 HRCを超える面がある場合は、必ず明記してください。電気めっきや一部の洗浄工程は高強度鋼に水素を入れることがあり、加工会社は最終検査で気づくのではなく、事前に脆性除去ベーキングを計画する必要があります。

表面処理、規格、タイプ、クラス

処理名だけでなく、規格を書いてください。処理ごとに1行あれば通常は十分です。

  • 亜鉛めっき: ASTM B633、タイプとクラス(例: Fe/Zn 8 Type III)。
  • 亜鉛ニッケルめっき: ASTM B841またはAMS 2417、クラスと最小膜厚。
  • 無電解ニッケルめっき: ASTM B733またはAMS 2404、使用環境またはリン含有量の範囲。
  • アルマイト: MIL-PRF-8625、タイプ(IIまたはIII)、クラス(染色あり、なし)、染色する場合は色。
  • 不動態化処理: ASTM A967またはAMS 2700、顧客が指定する場合は試験方法。
  • 粉体塗装: RAL番号または色見本による色、光沢度、AAMA 2604などの性能規格。

どの処理にするかまだ迷っている場合は、規格の行を書く前に表面処理の比較ガイドでどの処理がどの用途に合うかを確認してください。

膜厚と測定箇所

目標値だけでなく、最小値か範囲を書いてください。「20 µm」は加工会社によって受け取り方が異なりますが、「15から25 µm、主要面で最小値」なら誤解は生じません。部品の形状が単純でない場合は主要面を指定してください。平らな面と止まり穴の内部の膜厚が同じになることはほとんどないためです。

膜厚の確認方法も書いてください。電磁式と渦電流式は一般的な非破壊測定です。蛍光X線は貴金属や薄膜に適しています。断面観察は破壊試験で、通常は初品検査や紛争時に限られます。顧客の規格が方法を指定している場合は、見積依頼に記載してください。

寸法は処理前か処理後か

最も空欄のままにされやすい項目であり、手直しの最大の原因です。ねじ、穴、ピン、あらゆる圧入やすきまばめは、めっきやアルマイトの膜厚で寸法が変わります。図面のどの数値が処理前に適用され、どの数値が処理後に適用されるかを明記してください。

ねじについては、ねじゲージをめっき前とめっき後のどちらに適用するか、厚い皮膜の後に加工会社がねじをさらい直すべきかを書いてください。硬質アルマイトでは、酸化皮膜のおよそ半分が外側に成長し、半分がアルミの内部に浸透することを忘れないでください。素材の状態で決めた穴径は、アルマイト後の穴径にはなりません。

マスキング図

めっきなしにする箇所、薄膜のみの箇所、通常の処理で問題ない箇所をすべて丸で囲み、どれに該当するかを書いてください。ねじ、精密な穴、ベアリング座、アース接点、ガスケット面がよくある対象です。

マスキングは手作業なので、指示のない図面には、何を保護すべきかについての加工会社自身の想定で見積が出されます。その想定は、部品が戻ってきて初めて分かる形で外れていることがよくあります。マスキングを項目ごとに書面で確認することは、同じ部品の二つの見積を本当に比較できるものにする最も早い方法の一つです。

ラック掛けと接点位置

部品の処理方法の想定を加工会社に伝えてください。大量の小物部品ならバレル、大型や外観部品ならラック、粉体塗装や電着塗装ならコンベアラインです。外観部品の場合は、ラックやフックの接点跡が許容される位置を指示してください。吊るす部品には必ずどこかに接点跡が付きます。

粉体塗装や電着塗装のラインに流す部品には、吊り穴かフック掛け位置が必要です。わかりやすい位置がない場合は、早めに伝えてください。プロジェクトの終盤に工程用の穴を追加するのは、誰も望まない図面変更です。

ロット数、リピート頻度、梱包

1ロットあたりの数量と、繰り返す場合は年間の予定数量または出荷計画を書いてください。50個の単発と、毎月50個ずつ出荷される継続注文では、ロット数が同じでも価格が異なります。加工会社は槽の稼働時間を計画し、リピート案件のために枠を確保できるからです。

処理後の梱包方法も書いてください。金物類なら箱詰めのバラで問題ありませんが、外観部品や精密部品は、皮膜を付けた後の接触跡や傷を避けるため、通常は個別梱包が必要です。

試験と書類

標準だと思い込んでいるものではなく、ロットと一緒に返送してほしいものを列挙してください。

  • 膜厚の測定値、測定方法、測定する部品数または測定点数。
  • 規格で求められる場合の密着性試験(曲げ試験やテープ試験など)。
  • 耐食寿命を検証する場合、試験板または部品でのASTM B117による塩水噴霧試験。
  • 焼入れ鋼のベーキング記録、時間と温度を含む。
  • 規格、タイプ、クラスを明記した適合証明書。

依頼しなかった書類は届きません。部品の出荷後に依頼した書類は、加工会社が作成し直せないことがよくあります。

そのまま使える見積依頼テンプレート

メールに貼り付けるか、図面と一緒に添付してください。

部品名と品番: 素材と状態: (合金、調質、熱処理済みなら硬さ) 表面処理と規格: (処理、規格番号、タイプ/クラス、該当する場合は色) 膜厚: (最小値または範囲、対象面) 寸法は処理前/処理後: (はい/いいえ、対象の形状) マスキング: (箇所と要件: めっきなし、薄膜、通常処理) 処理方法: (バレル、ラック、ライン、吊り穴の有無) ロット数とリピート頻度: (単発、または年間数量) 梱包: (バラまたは個別) 必要な試験と書類: (膜厚報告書、密着性、塩水噴霧、ベーキング記録、適合証明書) 今回の見積数量: 希望納期:

これがあれば、加工会社は一度で価格を出せます。図面とモデルファイルを添付し、上記の項目のうち図面にすでに記載があるものはその旨を書いて、重複を避けてください。

当サービスでできること

当サービスはマッチングサービスであり、めっき工場ではありません。上記の項目を記載した見積依頼をお送りいただければ、その処理を行い、その規格に対応し、部品に合う槽、バレル、ラインを持つ表面処理会社最大3社にお渡しします。各社から直接、通常24営業時間以内に回答が届きます。加工会社を選ぶ前に何を確認すべきか検討中の場合は、金属表面処理会社の選び方をご覧いただくか、そのまま見積依頼フォームへお進みください。

よくある質問

表面処理の見積依頼で最も多い記載漏れは何ですか?

寸法が処理前と処理後のどちらに適用されるかです。ねじ、穴、圧入部はめっきやアルマイトで寸法が変わるため、図面にどちらの値か書かれていないと、加工会社は推測するか問い合わせるしかありません。

規格を指定する必要がありますか? 処理名だけで十分ですか?

処理名だけでは、膜厚、クラス、クロメートが加工会社の標準に任され、それは会社によって異なります。ASTM B633やMIL-PRF-8625などの規格を指定すれば、たとえ一般的なクラスでも、各社で同じ意味の見積が得られます。

試作品や単品は、量産品と比べてどの程度の情報が必要ですか?

書類は少なくて構いませんが、基本は同じです。試作品1個でも、素材、表面処理、規格、寸法の適用状態は必要です。部品を実際に使用しない場合は試験報告書やベーキング記録を省けますが、その旨を見積依頼に書いてください。

図面がなく3Dモデルだけで見積を出してもらえますか?

概算を出せる会社もありますが、表面処理、規格、マスキング、寸法の注記はどこかに必要です。モデルに注記として入れるか、簡単な仕様書をファイルに添付してください。

この表面処理の見積が必要ですか?

図面をお送りください。仕様に対応できる表面処理会社を最大3社ご紹介し、24営業時間以内に回答します。

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